実はあなたもやってない?!身近な法律違反の “やっちゃってる度” を判定してみた!
アソベン編集部
しょーじ
小学生のころ、近所のスーパーへおつかいに行ったとき、お釣りを多くもらったことがある(たぶん100円くらい)。
気づいたのが家に帰ったあとだったので、「まあ、今さら返しに行ってもな…」と思った僕は、そのままお釣りをいただくことにした。
翌日、軽い気持ちでそのことを友達に話したのだが、
「それ、泥棒じゃないの?」
「やーい、犯罪者~!」
…当時は、「そんなことないよ!」と猛反論したのだが、たしかにこれはれっきとした…
なのである!!!
というか、皆さんはないですか??知らぬ間に 法律違反をやっちゃってた って経験。
え、そんな覚えがない…!? いやいや、ちょっと胸に手を当てて、振り返ってみてください。
たとえば、こういうのやっちゃってないですか?
・好きなキャラクターの似顔絵をネット上にアップする
・自分に処方された薬を知り合いに分けてあげる
・飲み終わったペットボトルをコンビニのゴミ箱に捨てる
実はこれ全部、 法律違反の可能性がある んです!
……そう、だから、心当たりがあるのって、きっと僕だけじゃない…
確かめたい…
確かめたい…
どうしても、確かめたい!!
きっと、知らないうちにやっちゃってることが、ほかの人にもあるはず。
ということで、ほかの人にも聞いてみることにしました!
「法律違反の “やっちゃってる度” 」を知りたい!
まあでも、ただ聞くだけではつまらないので、今回はみんながやっちゃってそうな法律違反に ”やっちゃってる度” をつけてみようと思います。
【やっちゃってる度判定員】
アソベン編集長。「僕は清廉潔白に生きてきた」が口癖。
真面目な人代表。座右の銘は「謹厳実直」。
本企画の発案者。約束の時間の10分前には絶対到着していたい派。
特に重要なのは「判定のルール②」。そう、 正直に 答えるということ。
2人とも、今回ウソは絶対に禁止です。
いや、清廉潔白に生きてきましたから、ウソつく必要もないと思いますけど。
私もです。
ふふ…その自信がどこまで続くか楽しみです。
……。
では一宝先生、よろしくお願いします!
【今回法律違反を教えてくれる弁護士】
一宝 雄介(弁護士/アディーレ法律事務所)
静岡県出身。弁護士として、主に男女トラブルに関わる慰謝料請求などの案件を手掛ける。尊敬している人物は「何不自由ない生活を送らせてくれた両親」。(第二東京弁護士会 所属)
皆さんも、ぜひ一緒に判定してみてください。
正直に!
ケース①
では、これから法律違反の可能性がある行動を、5つご紹介していければと思います。
まずは「ドライバーや懐中電灯を、かばんに入れっぱなしにして持ち歩く」。皆さんこの行動について、どのくらい心当たりがありますか?
まあまあ。これはね。
そもそも持ち歩かないかな。
これは…60%。
使うと思って買ったまま、かばんに入れっぱなしにしてた…みたいなパターンとかあるかもしれない…え、これって法律違反になるんですか??
はい。ドライバーや懐中電灯の持ち歩きは、「特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律」に違反する可能性があります。
とくしゅかいじょう…?
簡単にいうと、「建物などへの不法侵入の際に使用されるような器具を、正当な理由なく隠して携帯してはならない」という法律です。
違反者には、1年以下の懲役または50万円以下の罰金を科される可能性があります。
ドライバー1本で捕まることもあるんだ…。
ちなみに、対象となるドライバーは「長さ15センチメートル以上で、先端の幅が0.5センチメートル以上のもの」という規定もあります。
要するに、マイナスドライバーのことですね。
え! マイナス? となると、話変わってくるな…。
基本使うのはプラスドライバーだから、マイナスなら大丈夫なはず…でもちょっと自信ないから、これくらいかな…。
なんでマイナスドライバーが指定されているんですか?
マイナスドライバーのような形状の工具は、建物への不法侵入や車上荒らしといった犯罪で利用される機会が多いから、とされています。たとえば、鍵穴をこじ開けたりとかですね。
なるほど。持ち歩きを制限して、そうした犯罪を抑止しようということですね。
そういう目的もあるかと思います。なので、配管工事の業者さんなど、仕事で使うために携帯している場合は別です。
ほかにもお店で購入した直後など、客観的に見て正当な理由がある場合は違反になりません。
ドライバーは何となくわかったんですけど、懐中電灯もダメなんですか?
懐中電灯も、ドライバーと同じで「不法侵入の際に使用される器具」と見なされる場合があるからです。
「軽犯罪法」という法律で規定されていて、実際に逮捕されたケースもあります。
え、逮捕?!!
まあとはいえ、そこまで神経質になる必要はないですよ。
現場の警察官は、個別の状況から総合的に判断したうえで、逮捕すべきかどうか決めるはずなので。「持っていたから即逮捕!」は通常あり得ませんからね。
ケース②
2つ目のケースはこちら。皆さん、どうでしょうか?
えー!
2人とも0%!?
うそだろ…クリーンすぎる…
意外ですね。もっと多いかと思っていました!
皆さんなんとなくご存じかもしれませんが、これは「著作権法違反」 に該当するおそれがあります。「Instagram」や「X」はもちろん、「LINE」のアイコンも対象ですよ。
え! LINEもですか!?…それだと、話変わってくるかもなあ…。
やっぱり! 0%はあり得ないって!
ちなみに、「YouTube」もですよね? けっこう見かける気がします。
そうですね。著作権を保有する作者や企業が、公に許可しているなら問題ないのですが…許可されていない画像を使う場合、相応のリスクが伴います。
よほどのことがない限り、すぐに逮捕までされることはないかもしれませんが、「みんなやってるし」と安易に使ってしまうと、後々困ったことになる可能性もあるので、ぜひお気をつけいただければと思います。
はい…気をつけます(苦笑)。
ケース③
続いてこちらのケースはいかがでしょうか。
皆さん、わりと心当たりがありそうですね。今回のケースで法律違反を問われるおそれがあるのは、 「遺失物横領罪」です。
遺失物横領罪は、意図せず占有から離れてしまった他人の物を、勝手に自分の物にした際に適用されます。
簡単にいうと、誰かがうっかり落としたり、置き忘れたりした物を勝手に自分のものにしたら問われる可能性のある犯罪です。
なるほど。
なので道端に落ちている百円玉も、「落とした誰か(他人)の物」に当たる可能性があるので、勝手に自分のものにはできないということになりますね。
でも現実的に考えると、百円玉を1枚拾ったからといって、毎回近くの交番を探して届けるのも大変ですよね。
見つけてもそのままにするとか? それだと違法にはならないんじゃないかな…
まあ、みんながそれやり出すと、道端に小銭がめっちゃ落ちてる世界になるけど(笑)
放っておいても具体的な罪には問われないでしょうが、できるだけ届けたほうがいいとは思います(笑)。
ケース④
こんなケースではどうでしょう?
日用品など、個別に判断が必要なものもありますが、基本的には他人の持ち物を許可なく捨てる行為は、「器物損壊罪」を問われる可能性があります。
「捨てる」という行動でも、「損壊」になるんですね。
法律上の「損壊」は、対象物を使えなくする行為全般を指します。
ゴミに出しちゃったら当然使えなくなりますよね。なので、器物損壊罪が適用され得るんです。
でも、返そうと思っても、連絡が付かないパターンもありません??
あと、別れ方によるけど「もう連絡取りたくない!」っていう、心情的な問題とか(笑)
特に最近は、マッチングアプリとかオンラインでの出会いも増えてますし。共通の友だちとかいないと、音信不通になることもありそう。
そうそう。捨ててはいないけど、返せずにそのまま…みたいな。
連絡手段がないケースは少し面倒ですよね。返す努力は可能な限りした方が良いかと思いますが、それでも難しい場合は…
20年間持ち続ければ、取得時効が適用されて元恋人から自分に所有権が移ることになります。ちょっと気が遠くなりそうですが(笑)。
20年…(笑)そんなに経つと、お互いもう忘れてそうだなぁ(笑)
ケース⑤
最後はこちらのケースです。
最後は皆さん高めですね。
ただ、指定日以外の日にゴミを出すと「廃棄物処理法」の「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない」という項目に違反するおそれがあります。
みだりに? 基準がちょっとあいまいですね(笑)
判例では、「みだりに」の意味について「生活環境の保全及び公衆衛生の向上の見地から、社会通念上許容されないこと」としています。
つまり「衛生面などから考えて周りの人の迷惑になる場合はダメ」ということですね。
ゴミを前日に出すのは、それに該当する可能性があるということか。
そうですね。もちろんすべてではなく、周辺の状況など、個別の事情を踏まえてにはなりますが。
たとえば実家にいたころ、町にゴミステーションがあったんですけど、夕方になるとものすごい数の人がゴミ出しに来てました…(笑)こういうのはどうなんでしょうか?
難しいですが…
たとえば指定日以外にゴミを出すことで、あまりにも臭いがきつくなったり、カラスやねずみが集まってきたり、周囲に悪影響を及ぼすなら違反を問われるかもしれません。
ちなみに前日がダメなら、当日の何時からはOKとかあるんでしょうか?0時過ぎたら問題ないよってことなら、23時でも同じ気がして(笑)
まあどちらも夜は夜ですしね(笑)
さすがに法律では時間まで決めないので…。結局、そういった部分も個別的な判断になってしまいます。なので、「当日の朝」と決められているなら、その時間に出すのがやはり無難かなと。
なるほど…がんばって起きて、朝出すようにします(笑)
判定終了!
はい、今回はここまでですね。
いや僕以外にも、みんな知らないうちにやっちゃってるってことがよくわかってよかったです!
でも、しょーじさんが1番%高かった気が(笑)
え? そんな変わらない感じしたけど…。
ほぼダブルスコア(笑)
…………。これは、そう、あれですね…。
僕が一番、正直者 ということですね。
【おまけ】ほかにもこんな行動が危ない!
実は、こんな行動も法律違反に問われる可能性があります。
【著作権法違反】
・好きな歌の歌詞を作詞家の許可なくSNSに載せる
・本屋のポップに有名なキャラクターを書く
・好きなキャラの似顔絵を書いてSNSにアップする
【肥料取締法違反】
・自分で肥料を作って知り合いに配る
【軽犯罪法違反】
・公園で花火をする
特に著作権関係は、「みんなやってるし、大丈夫!」という感覚でけっこうやりがちないイメージがあります。
そうですね。当然ですが、「他人がやってるから」という理屈は通りません。「この行動って大丈夫かな?」と感じたら、少し立ち止まって考えたり、調べたりしてみると、思わぬリスクを避けられるのではないかと思います。
皆さんも、どうぞお気をつけください!
申し遅れました、アソベン編集部のしょーじと申します。