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【きょうのクイズ】殺し屋に「支払った報酬」は、殺害に失敗したら返してもらえる?(他2問)

弁護士

神野由貴

法律に関わるクイズを弁護士が出題する、『きょうのクイズ』。

本日は、〇×クイズを『3問』出題します!


本日クイズを出題する弁護士はこちら!

【きょうの弁護士】神野 由貴
税関職員の経歴を経て、弁護士に。アディーレ法律事務所にて、不貞慰謝料の請求における交渉・訴訟、また弁護士の視点からマーケティング施策などに携わる。プライベートでは、小学生の頃からの歴史好き。歴史ドラマやYouTube、書籍など、普段から様々な歴史コンテンツを楽しみ、時間ができれば、歴史的な名所にも足を運んでいる。(兵庫県弁護士会 所属)


第1問

Q.
殺し屋に「殺人の報酬」として支払ったお金は、たとえ殺害に失敗しても返してもらえない。
×
正解!
不正解!
A.

不法な原因のために給付をした者 は、その給付したものの返還を請求することができない」 と定められています(第708条本文)。「殺人の報酬」は、この『不法な原因に基づく給付』にあたり、たとえ失敗しても法律上、返還の請求はできません。

ちなみに民法がこのような定めを設けている背景には、「法を守る者だけが法の助力を求めることができる(クリーン・ハンズの原則)」という考え方があります。つまり 「殺人の依頼」のような不法な契約に手を染めた人間 が、自分にとって都合のいい場合だけ「法による助け」を求めることはできない のです。


第2問

Q.
犯罪の「前科」は、戸籍に載る。
×
正解!
不正解!
A. ×

前科とは、刑罰を受けた経歴のことです。

たとえ過去に懲役などの刑罰を受けたことがあっても、 前科が戸籍に記載されることはありません。


第3問

Q.
日本の法律で一番重い犯罪は「殺人罪」。
×
正解!
不正解!
A. ×

殺人罪の法定刑は、「死刑または無期もしくは五年以上の懲役」となっています。一方、 『外患誘致罪』の法定刑は、死刑一択です。

『外患誘致罪』とは、 外国と通謀して日本国に対し武力を行使させる罪 です。もっとも、この罪で起訴された例はこれまでに一度もありません。


本日のクイズは何問わかりましたか?

次回のクイズもお楽しみに!