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【きょうのギモン】財布を拾って警察に届けなかったら、犯罪になりますか?

弁護士

神野由貴


【きょうの弁護士】神野 由貴
税関職員の経歴を経て、弁護士に。アディーレ法律事務所にて、不貞慰謝料の請求における交渉・訴訟、また弁護士の視点からマーケティング施策などに携わる。プライベートでは、小学生の頃からの歴史好き。歴史ドラマやYouTube、書籍など、普段から様々な歴史コンテンツを楽しみ、時間ができれば、歴史的な名所にも足を運んでいる。(兵庫県弁護士会 所属)


ポイント① 『遺失物等横領罪』にあたる可能性あり

財布を拾って警察に届けなかった場合、「拾った財布をどうするか」で、成立しうる犯罪が異なります。

まず拾った財布を自分の物にした場合、成立する可能性があるのが、『遺失物等横領罪』。『遺失物等横領罪』は、 他人が落とした物や漂流物などを自分の物にしてしまう犯罪 です。

たとえば、道で拾った財布をそのまま持ち帰って中身を使ったり、財布自体を売ったりする行為が該当します。

『遺失物等横領罪』の法定刑は、「1年以下の懲役または10万円以下の罰金もしくは科料」です。


ポイント② 『器物損壊罪』にあたる可能性も

次に、届けるのが面倒になって処分した場合は、『器物損壊罪』が成立する可能性があります。

『器物損壊罪』は、 他人の物を故意に壊したり、使えなくしたりする犯罪 です。

たとえば、拾った財布を届けるのが面倒になって、ゴミとして捨てたりする行為が該当します。

『器物損壊罪』の法定刑は、「3年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料」です。

拾った財布は、いい加減に処理しないことが大切です。財布を拾ったときは、ちゃんと警察に届けてくださいね。