【きょうのギモン】株式会社と合同会社って、何が違うんですか？

【きょうの弁護士】神野 由貴
税関職員の経歴を経て、弁護士に。アディーレ法律事務所にて、不貞慰謝料の請求における交渉・訴訟、また弁護士の視点からマーケティング施策などに携わる。プライベートでは、小学生の頃からの歴史好き。歴史ドラマやYouTube、書籍など、普段から様々な歴史コンテンツを楽しみ、時間ができれば、歴史的な名所にも足を運んでいる。（兵庫県弁護士会 所属）

ポイント①　株式会社の出資者は「株主」、合同会社の出資者は「社員」

『株式会社』と『合同会社』は、どちらも日本の会社法に基づいて設立される法人形態ですが、いくつかの違いがあります。

まず、その違いの一つが、「資本金の取り扱い」です。

『株式会社』は株式を発行して資金を調達し、 株主が出資者 となります。一方、合同会社は 出資者が社員 となり、株式を発行しません。

また『株式会社』と比べ、『合同会社』は設立や運営が比較的簡便で、設立費用も安価となっています。

ポイント②　「経営における意思決定の仕組み」の違い

さらに「経営における意思決定の仕組み」にも、違いがあります。

『株式会社』は、 株主と経営者が分離しており、株主は経営に直接関与しません。 重要事項は「株主総会」で決定されますが、日々の経営は取締役が行います。

一方、『合同会社』では、原則 社員全員が経営に参加でき、意思決定は社員の合意によって行われます。 このため『合同会社』は、「少人数での経営に向いている法人形態」だといえるでしょう。

なお、一般的には『株式会社』の方が社会的な信用度が高く、取引先からの信頼を得やすいとされています。これは、『株式会社』が厳格な法的規制を受けることが多いためです。