【きょうのギモン】別れた恋人の持ち物が家に残っているんですが、処分しちゃってもいいですか?
弁護士
神野由貴
【きょうの弁護士】神野 由貴
税関職員の経歴を経て、弁護士に。アディーレ法律事務所にて、不貞慰謝料の請求における交渉・訴訟、また弁護士の視点からマーケティング施策などに携わる。プライベートでは、小学生の頃からの歴史好き。歴史ドラマやYouTube、書籍など、普段から様々な歴史コンテンツを楽しみ、時間ができれば、歴史的な名所にも足を運んでいる。(兵庫県弁護士会 所属)
ポイント① 『器物損壊罪』に問われる可能性がある
別れた恋人の持ち物が家に残っていると、どうしていいか悩んでしまいますよね…。
でも、勝手に処分するのはちょっと待ってください!法律的には、他人の持ち物を勝手に捨てたりするのは問題があるんです。
まず、 他人の物を勝手に処分すると、『器物損壊罪』に問われる可能性があります。
『器物損壊罪』はその名前から、他人の「物を壊す行為」をイメージしやすいかもしれませんが、実は「物を使えなくする行為」でも成立する犯罪です。
つまり、 物を「捨てる=使えなくなる」 ため、勝手に他人の物を処分する行為は、『器物損壊罪』にあたる可能性があるということになります。
ポイント② 『横領罪』が成立する可能性も
また、『横領罪』も問題になり得ます。
『横領罪』は、「預かったりしている他人の物を自分の物にしてしまう」犯罪です。
たとえば、元恋人がブランド品などを置き忘れていて、それを 自分の物にして使ったり、勝手に売ってお金に換えたりすると、『横領罪』が成立する可能性 があります。
そのため、連絡がつくのであれば、まずは元恋人に連絡を取って、持ち物を引き取ってもらうようお願いすることをおすすめします。
別れ方にもよりますが、持ち物が残されていた際は、感情的にならずに冷静に対処しましょう。
法的な問題だけでなく、元恋人との将来的なトラブルを避けるためにも、なるべく返す努力をしたほうが無難です。