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【きょうのギモン】埋蔵金を発見したら、発見した人が全部もらえるんですか?

弁護士

川原朋子


【きょうの弁護士】川原 朋子
青森県出身。「人を直接助ける仕事がしたい」と、働きながら夜間のロースクールに通い、司法試験に合格。弁護士に加え、メンタル心理カウンセラーなど多数の資格を持つ。現在、アディーレ法律事務所では、弁護士の立場からマーケティング施策などに従事。プライベートでは海外ドラマが好きで、なかでも好きなのは「刑事もの」や「弁護もの」。特に女性弁護士アリーが主人公の『アリーマイラブ』は、子どもの頃から何度も見返すほどのお気に入り。(埼玉弁護士会 所属)


ポイント① 自分の土地:所有者が現れなければ自分のものになる

まず、埋蔵金などの「埋蔵物」を発見したら、それが自分の土地であっても、速やかに警察署に届け出なければなりません(逸失物法4条1項)。

そのうえで、警察署長が『遺失物法』の規定に従って公告した後(遺失物法7条)、「6ケ月以内に所有者が判明しない」場合には、発見者がその所有権を取得します(民法241条)。

つまり 「自分の土地で自分が発見し、所有者が判明しなかった」場合、埋蔵金は全部自分のものにすることが可能 です。

ちなみに、引き取りに行くのを忘れ、埋蔵物の所有権を取得した日から「2ケ月以内に引き取らない」場合、所有権を失ってしまうので注意しましょう(遺失物法36条)。

(※)また、発見から1週間以内に警察署に届け出なかった場合(遺失物法34条2号)にも、所有権を取得する権利を失います。


ポイント② 他人の土地:土地の所有者と折半

しかし、他人の土地で埋蔵金を発見した場合には、話は別です。

警察署への届出と公告の手続きは同じですが、所有者が判明しない場合には、 「発見した者」と「土地の所有者」が等しい割合でその所有権を取得します (民法241条但書)。


ポイント③ 『文化財』は都道府県に帰属

自分が発掘した埋蔵物であっても、それが『文化財』とされると、所有者が判明しない場合の所有権は都道府県に帰属します(文化財保護法105条1項)。

ただし、 発見者及び発見された土地の所有者に対しては、「埋蔵物の価格に相当する額の報奨金」が支払われます。

(※)発見者と土地の所有者が異なる場合は、報奨金は折半されます(同法105条2項)。

「徳川埋蔵金」なんて聞くとロマンがありますが、もし価値のある埋蔵物を見つけた場合には参考にしてください!