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【きょうのギモン】日本で「火葬」以外の方法って、認められますか?

弁護士

川原朋子


【きょうの弁護士】川原 朋子
青森県出身。「人を直接助ける仕事がしたい」と、働きながら夜間のロースクールに通い、司法試験に合格。弁護士に加え、メンタル心理カウンセラーなど多数の資格を持つ。現在、アディーレ法律事務所では、弁護士の立場からマーケティング施策などに従事。プライベートでは海外ドラマが好きで、なかでも好きなのは「刑事もの」や「弁護もの」。特に女性弁護士アリーが主人公の『アリーマイラブ』は、子どもの頃から何度も見返すほどのお気に入り。(埼玉弁護士会 所属)


ポイント① 法律上は火葬の他、埋葬が可能

墓地や埋葬に関しては、『墓地、埋葬等に関する法律』に従って行う必要があります。

この法律によると、 墓地であれば、「遺体を土中に葬る『埋葬』=土葬」も可能 です。

ただし、土葬を行うには以下の条件をクリアする必要があります。

  • 自治体の許可を取得する
    各自治体(市町村長)に申請し、許可を得る必要があります。
  • 墓地を確保する
    土葬用の墓地を確保しなければなりません。土葬を受け入れている寺院や霊園は限られています。
  • 各自治体のルールを守る
    原則として土葬を禁止していたり、認めていても深さ地下2メートル以上にしなければならなかったり、「土葬に関するルール」は自治体によって異なります。こうしたルールを守って行わなければなりません。

これらの条件を満たすのは実際には難しく、また火葬を禁じる宗教の信者が日本では少ないといった事情もあり、日本では火葬が主流となっています。


ポイント② 99.9%以上が火葬

ちなみに少し古いですが、土葬と火葬の割合がわかる統計があります。

平成19年の統計では、 1,126,929のご遺体のうち、火葬は1,125,959件、土葬は970件。火葬率は実に99.9%以上 でした。

日本で土葬は、極めて少ないといえるでしょう。

参考:平成19年度衛生行政報告例 統計表 年度報|政府統計の総合窓口