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【きょうのギモン】ドラマみたいに、裁判で突然「証拠品」を出すことはありますか?

弁護士

神野由貴


【きょうの弁護士】神野 由貴
税関職員の経歴を経て、弁護士に。アディーレ法律事務所にて、不貞慰謝料の請求における交渉・訴訟、また弁護士の視点からマーケティング施策などに携わる。プライベートでは、小学生の頃からの歴史好き。歴史ドラマやYouTube、書籍など、普段から様々な歴史コンテンツを楽しみ、時間ができれば、歴史的な名所にも足を運んでいる。(兵庫県弁護士会 所属)


POINT① 裁判では、『証拠』を事前に提出している

「不可解な供述をする証人に対し、弁護士がいきなり決定的な証拠を突き付けるーーー驚く裁判長や相手方の弁護士(あるいは検察官)」

さて、このようなシーンをドラマなどで見ることがありますが、実際、このようなことは基本的にありません。

実務では、「実際に裁判が開かれる日(期日)」までに、双方が『証拠』や『主張書面』を裁判所と相手方に提出しています。

そして期日では、 基本的にすでに提出された『証拠』に基づく主張や尋問しかできません。 相手方に対する不意打ちとならないようにするためです。

そのため、たとえ決定的な証拠を裁判の直前に発見したとしても、ドラマのようにその場でいきなり出すようなことはできません。

(※)事前予告なしに証拠を提出できる、『弾劾証拠(証人等の陳述の信用性を争うための証拠)』といった例外もあります。

通常の場合、また次の期日を設定してもらい、その前に『証拠』やそれに基づく『主張書面』を提出することになるでしょう。