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【きょうのギモン】台風で警報も出ているなか、出社を求められているのですが、法的に問題ないんですか?

弁護士

神野由貴


【きょうの弁護士】神野 由貴
税関職員の経歴を経て、弁護士に。アディーレ法律事務所にて、不貞慰謝料の請求における交渉・訴訟、また弁護士の視点からマーケティング施策などに携わる。プライベートでは、小学生の頃からの歴史好き。歴史ドラマやYouTube、書籍など、普段から様々な歴史コンテンツを楽しみ、時間ができれば、歴史的な名所にも足を運んでいる。(兵庫県弁護士会 所属)


POINT① 会社には「労働者の安全と健康」を確保する義務がある

台風などの「自然災害時に出社を求められること」について、法的な観点から考えてみましょう。

なお今回は、災害対応に直接かかわるような職種ではなく、一般的な事務職を想定して回答します。

まず、会社には労働者に対する「業務命令権」があり、労働者は基本的に会社の業務命令に従う義務があります。

ただし、当然ながら会社はどんな命令をしてもいいわけではなく、必要かつ合理的な内容でなければなりません。加えて、『労働安全衛生法』や『労働契約法』によると、会社には「労働者の安全と健康」を確保する義務があるとされています。

台風のような危険な状況での出社が 「労働者の安全」を脅かす場合、出社を求めた会社はその義務を果たしていないと判断される可能性がある でしょう。


POINT② まずは会社と相談を

台風など自然災害の影響で交通機関が停止している場合や、警報が発令されている場合には、出社が困難であることを会社に伝え、休暇の取得などについて相談することをおすすめします。

可能であれば、在宅勤務を打診してみてもいいでしょう。 なお、会社が出社を強要し、結果として 労働者がケガなどの被害を受けた場合、労働者が損害賠償を請求できる可能性もあります。