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【きょうのギモン】理不尽な校則は、法的にどうなんですか?

弁護士

神野由貴


【きょうの弁護士】神野 由貴
税関職員の経歴を経て、弁護士に。アディーレ法律事務所にて、不貞慰謝料の請求における交渉・訴訟、また弁護士の視点からマーケティング施策などに携わる。プライベートでは、小学生の頃からの歴史好き。普段から歴史に関わる書籍を読みあさり、時間ができれば、歴史的な名所にも足を運んでいる。


学校には校則を定める権限がありますが、どんなものでも無制限に許されるわけではありません。

実際に過去の裁判例を見ると、校則を定める権限について以下のように述べられています。

「無制限なものではありえず、中学校における教育に関連し、かつ、その内容が社会通念に照らして合理的と認められる範囲においてのみ是認されるものである」(熊本地裁昭和60年11月13日判決)

つまり学生の 「教育において必要」であり、「社会通念に照らして合理的と認められる範囲」であると認められない校則は、違法だということができます。

また一般的に、公立は私立に比べ、校則の内容が違法と判断される余地があると考えられています。

なぜなら公立に通う学生は、 住所によってある程度通う学校が決まり、選択できる余地が少ないと考えられるためです。

そのため事前に、その校則を理解した上で入学しているとはいえないため、私立に比べて違法という判断に傾きやすいといえます。


とはいえ、校則の違法性が争われた裁判は複数存在しますが、私立でも公立でも、「校則そのものが違法」と判断されるためのハードルはとても高いといえます。

しかし、社会は少しずつ変わってきています。今後、裁判や社会問題で取り上げられたことがきっかけとなり、いわゆる「ブラック校則」は廃止されていくかもしれません。

いつか理不尽な校則と戦った人たちの勇気や努力が、報われる未来がくるといいですね。