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【きょうのギモン】裁判で訴えようと思うと、どれくらいお金が必要ですか?

弁護士

川原朋子


【きょうの弁護士】川原 朋子
青森県出身。「人を直接助ける仕事がしたい」と、働きながら夜間のロースクールに通い、司法試験に合格。弁護士に加え、メンタル心理カウンセラーなど多数の資格を持つ。現在、アディーレ法律事務所では、弁護士の立場からマーケティング施策などに従事。プライベートでは海外ドラマが好きで、なかでも好きなのは「刑事もの」や「弁護もの」。特に女性弁護士アリーが主人公の『アリーマイラブ』は、子どもの頃から何度も見返すほどのお気に入り。(埼玉弁護士会 所属)


ポイント① 訴訟費用は、通常そこまで高くない

裁判にかかる費用は、大きく 『訴訟費用』と『弁護士費用』 に分かれます。

まず『訴訟費用』とは、裁判所に納めるお金です。裁判を起こす手数料としての「印紙代」や、裁判所が書類を送る際に使用される「郵券代」などが含まれます。

「印紙代」は請求金額などによって変わり、たとえば第1審の訴訟で「10万円までの請求なら1,000円」「950万円から1,000万円の請求なら5万円」となります。「郵券代」も訴訟の種類や裁判所によって異なりますが、「数千円から1万円未満」であることがほとんどです。

このように『訴訟費用』は、 裁判を受ける権利が憲法で国民に保障されていることから、比較的低額に抑えられている といえるでしょう。


ポイント② 弁護士費用は、訴訟費用よりも高額

次に『弁護士費用』ですが、 通常、『訴訟費用』よりも高額になります。 一般的に『着手金』と『報酬金』に分かれ、訴訟する場合の『着手金』は最低でも「20万円~30万円程度」かかると考えられます。

実際の『弁護士費用』は、案件の難易度や請求金額、法律事務所によって異なりますので、依頼しようとする法律事務所に確認するようにしましょう。


ポイント③ 裁判は自分の権利を守る重要な手段

裁判は自分で行うこともでき、その場合、『弁護士費用』はかかりません。

ただし、裁判は自分の権利を守る重要な手段です。そのため一般的には、しっかりと法律の専門家である弁護士を立て、争っていくことになるでしょう。

そうすると『訴訟費用』に加え、『弁護士費用』がかかり、相応の費用は必要となってきます。

したがって、 「訴えたい」と思ったときには、弁護士に相談して費用対効果を考慮しつつ、慎重に判断することが大切です。 具体的にかかる『訴訟費用』『弁護士費用』については、依頼を検討している法律事務所に確認するとよいでしょう。