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【きょうのギモン】祝日なのに会社を休みにしないのは、違法じゃないんですか?

弁護士

川原朋子


【きょうの弁護士】川原 朋子
青森県出身。「人を直接助ける仕事がしたい」と、働きながら夜間のロースクールに通い、司法試験に合格。弁護士に加え、メンタル心理カウンセラーなど多数の資格を持つ。現在、アディーレ法律事務所では、弁護士の立場からマーケティング施策などに従事。プライベートでは海外ドラマが好きで、なかでも好きなのは「刑事もの」や「弁護もの」。特に女性弁護士アリーが主人公の『アリーマイラブ』は、子どもの頃から何度も見返すほどのお気に入り。(埼玉弁護士会 所属)


ポイント① 労働基準法上の休日(法定休日)と祝日は別

労働基準法では、使用者が労働者に対し、「1週間に1日、または4週間に4日以上の休日 (法定休日) 」を与えることを義務付けています(労働基準法35条)。

『法定休日』には、「祝日を休みとしなければならない」という決まりはありません。つまり、 祝日を休みとせず仕事をさせても、他の日に『法定休日』を設けていれば、違法にはなりません。

ちなみに『週休2日』としている企業は多いですが、その場合、「1日は『法定休日』」「もう1日は『法定外休日(法定休日以外)』」として休日が設定されています。


ポイント② いつを休みとするかは、就業規則等に定められている

会社が祝日を休日とするかは、法律のルールに従う限り、使用者の裁量に委ねられています。そして、 企業は就業規則等で祝日の扱いを定めており、労働者はこれらの規定に従う ことになります。

祝日が休みにならないことに疑問がある方は、『法定休日』がいつなのか、『法定外休日』がいつなのか、就業規則等を確認してみるといいかもしれません。


ポイント③ 割増賃金をもらえる可能性あり

ちなみに、就業規則等で祝日を『法定休日』と定めている場合、 祝日に勤務すると、「休日労働」として、使用者は通常の賃金の35%以上の割増賃金を支払う必要 があります(労働基準法37条)。

祝日が『法定外休日』である場合や、そもそも休日ではない場合には、35%以上の割増賃金は生じません。ただし、1日8時間、週40時間を超えた分については、「時間外労働」として25%以上の割増賃金を支払う必要があります。

いつ休んでいつ働くかは、人生において重要な要素です。祝日が休みであることを重視する方は、祝日が休みとなっている企業や業種への転職を視野に入れてみてもいいかもしれませんね。