弁護士とつくる “あそびメディア”

【きょうのギモン】20歳未満の飲酒や喫煙で、本人は罪に問われないって本当ですか?

弁護士

神野由貴


【きょうの弁護士】神野 由貴
税関職員の経歴を経て、弁護士に。アディーレ法律事務所にて、不貞慰謝料の請求における交渉・訴訟、また弁護士の視点からマーケティング施策などに携わる。プライベートでは、小学生の頃からの歴史好き。歴史ドラマやYouTube、書籍など、普段から様々な歴史コンテンツを楽しみ、時間ができれば、歴史的な名所にも足を運んでいる。(兵庫県弁護士会 所属)


ポイント① リスクから守れなかった大人の責任のほうが大きい

「子供が飲酒や喫煙していても、罰せられるのは親だけって聞いたんだけど…本当?」

そんな風に驚く方がいるかもしれません。

たしかに、「20歳未満の飲酒や喫煙を禁じる法律」では、 罰則の対象となるのは、親権者等やお酒・タバコを販売・提供した大人だけであり、 飲酒や喫煙をした本人には罰則規定がありません。 法律の目的が、「未成年者(※)を飲酒や喫煙によるリスクから保護すること」だからです。

(※)民法改正により2022年4月1日から成年年齢が20歳から18歳に引き下げられていますが、飲酒や喫煙が認められる年齢は「20歳以上」で変更はありません。そのため本記事では便宜上、改正前と同様に20歳未満を「未成年者」と記載しています。

これは、「未成年者」は判断能力が未熟であり、大人の影響を受けやすいという考え方に基づいています。つまり、その飲酒や喫煙に至った背景には、周りの大人の責任が大きく、飲酒や喫煙をした「未成年者」本人はむしろ、「保護すべき対象」だという側面があると考えられているのです。


ポイント② やった本人も“おとがめなし”ではない

そのため、飲酒や喫煙をした本人を罰するのではなく、周りの大人が責任を持って、その健全な成長を促すことが求められています。

ただし、 飲酒や喫煙をした本人も、警察に補導されたり、通っている学校や勤務先に連絡されて処分されたりする ことはあります。

また、そもそも未成年者にとって飲酒や喫煙は、特に身体や精神に悪影響を及ぼす可能性が高い行為です。法的には罰則の対象にならないからといって、20歳未満で飲酒や喫煙に手を出すことはやめましょう!