【きょうのギモン】恋人のスマホを勝手に見たら違法ですか?
弁護士
神野由貴
【きょうの弁護士】神野 由貴
税関職員の経歴を経て、弁護士に。アディーレ法律事務所にて、不貞慰謝料の請求における交渉・訴訟、また弁護士の視点からマーケティング施策などに携わる。プライベートでは、小学生の頃からの歴史好き。歴史ドラマやYouTube、書籍など、普段から様々な歴史コンテンツを楽しみ、時間ができれば、歴史的な名所にも足を運んでいる。(兵庫県弁護士会 所属)
ポイント① 不正アクセス禁止法に違反する可能性がある
恋人のスマホを勝手に見る行為は、いわゆる『不正アクセス禁止法』違反として、刑事上の責任を問われる可能性があります。
たとえば、恋人のIDとパスワードを勝手に使ってLINEなどにログインする行為は、「不正アクセス行為」として『不正アクセス禁止法』に違反する可能性が高いでしょう。
不正アクセス行為の罰則は、3年以下の懲役又は100万円以下の罰金となります。
ポイント② プライバシー侵害で損害賠償を請求されるおそれも
次に、 プライバシーの侵害であるとして、民法上の不法行為が成立する可能性もあります。 場合によっては、恋人から損害賠償を請求されるかもしれません。
ただし、LINEのポップアップ通知など、たまたま目に入った内容を見る程度であれば、プライバシー侵害にあたる可能性は低いでしょう。
ポイント③ 信頼関係が危険にさらされることを忘れずに
なお、恋人のスマホを勝手に見ただけでなく、 そのスマホに位置情報がわかるアプリを無断でダウンロードした場合、いわゆる『ストーカー規制法」に違反する可能性もあります。
そもそも、倫理的な問題も無視できません。勝手にスマホを見ることは、恋人との信頼関係に深刻な影響を与える可能性があります。法律的なリスクだけでなく、関係そのものを危険にさらす行為であることを認識しておきましょう。