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【きょうのギモン】偽名でホテルに泊まったら、罪になるって本当ですか?

弁護士

神野由貴


【きょうの弁護士】神野 由貴
税関職員の経歴を経て、弁護士に。アディーレ法律事務所にて、不貞慰謝料の請求における交渉・訴訟、また弁護士の視点からマーケティング施策などに携わる。プライベートでは、小学生の頃からの歴史好き。歴史ドラマやYouTube、書籍など、普段から様々な歴史コンテンツを楽しみ、時間ができれば、歴史的な名所にも足を運んでいる。(兵庫県弁護士会 所属)


ポイント① 偽名での予約は「拘留または科料」のおそれあり

不倫旅行など、偽名で宿泊予約をしたいという需要はわりとありふれており、実際に偽名で宿泊したことがある人も少なくないようです。

しかし、それは法律違反になります。

『旅館業法』によると、ホテル側から氏名などを求められた場合、宿泊者は正確な情報を提供しなければなりません。 もし偽名を使って宿泊した場合、拘留または科料に処される可能性があります (旅館業法第6条2項、同第12条)。

(※)拘留とは「1日以上30日未満、刑事施設に拘置される刑」で、科料とは「1,000円以上1万円未満の金銭を支払わせられる刑」のことをいいます。(ちなみに科料は一般的な感覚における「罰金」と同じですが、「罰金」は法律上、原則として1万円以上と決まっています。)


ポイント② 感染症や災害の発生に備えて、正確な情報提供を

このような決まりがあるのは、 感染症が発生した際の追跡調査や、火事や地震などの災害が発生した際の身元確認が目的 です。

もっとも、ホテルに泊まる際に、身分証明書などの提示を求められることは基本的にないため、問題になることはあまりないようです。

しかし、感染症や災害が発生したときのためにも、法律を守って正確な情報を提供するようにしてください。