【きょうのギモン】脱獄したら、どんな罪になりますか?
弁護士
神野由貴
【きょうの弁護士】神野 由貴
税関職員の経歴を経て、弁護士に。アディーレ法律事務所にて、不貞慰謝料の請求における交渉・訴訟、また弁護士の視点からマーケティング施策などに携わる。プライベートでは、小学生の頃からの歴史好き。歴史ドラマやYouTube、書籍など、普段から様々な歴史コンテンツを楽しみ、時間ができれば、歴史的な名所にも足を運んでいる。(兵庫県弁護士会 所属)
もしも現実で「脱獄」したら、どんな罪になるのか気になったことはありませんか?
さて、今日は映画やドラマでよく見る「脱獄」がテーマです。
日本の法律において、 脱獄は『逃走罪(刑法 第97条)』 となります。法定刑は「3年以下の懲役」です。
『逃走罪』の対象になるのは、「刑務所に服役中の人」だけではありません。勾留中の人や、逮捕されて取り調べを受けている最中の人なども含まれます。
(ちなみに以前は、逮捕期間中の人は『逃走罪』の対象ではありませんでした)
また、もし逃げるときに誰かに暴力を振るったり、拘束のための器具を壊したりした場合は、 『加重逃走罪(刑法 第98条)』 に該当することになります。『加重逃走罪』の法定刑は、「3ヵ月以上5年以下」の懲役です。
もちろん自分ではなく、他人の脱獄を手伝う行為も犯罪となります。このケースは基本的に『逃走援助罪(刑法 第100条)』が成立します。
映画やドラマで見る分にはスリリングで面白いかもしれませんが、現実では絶対にやっちゃダメですよ!