【きょうのギモン】知人がネタバレを繰り返してくるのですが、なにかの罪に問えませんか?
弁護士
神野由貴
【きょうの弁護士】神野 由貴
税関職員の経歴を経て、弁護士に。アディーレ法律事務所にて、不貞慰謝料の請求における交渉・訴訟、また弁護士の視点からマーケティング施策などに携わる。プライベートでは、小学生の頃からの歴史好き。歴史ドラマやYouTube、書籍など、普段から様々な歴史コンテンツを楽しみ、時間ができれば、歴史的な名所にも足を運んでいる。(兵庫県弁護士会 所属)
近年、映画やドラマ、ゲームなどのエンターテインメント作品において、ネタバレが社会的な問題として取り上げられることがあります。
ネタバレとは、作品の重要な内容や結末を事前に明かす行為を指し、一般的なマナーやエチケットとして避けるべき行為であることは間違いありません。 しかし、ネタバレ行為が法的にどのように扱われるかについては、 明確な規定が存在しない のが現状です。
日本の法律には、ネタバレを「直接的に禁止する法律」は存在せず、ネタバレ行為そのものが犯罪として扱われることは基本的にありません。したがって、ネタバレを行ったことで刑事罰を受けることはないでしょう。
しかし、民事上は、ネタバレが違法行為となる可能性があります。
たとえば、ネタバレが意図的な嫌がらせやハラスメントの一環として行われた場合、それが 精神的な苦痛を引き起こしたと認められれば、民法上の不法行為に該当する として、損害賠償を請求できるかもしれません。
もっとも、そのような知人に対する現実的な対応策は、まずその知人に対してネタバレをやめてほしい旨を明確に伝えることでしょう。それでも改善されない場合は、その知人との関係を見直すことも考慮に入れるべきかもしれません。
ちなみに、企業がマーケティング戦略としてネタバレを防ぐための契約を結ぶ場合もあります。たとえば、試写会などのイベントに招待する際に、ネタバレを禁止する契約を締結するなどです。
このような契約に違反した場合は、契約違反で訴えられる可能性があるでしょう。