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【きょうのギモン】海外のオンラインカジノなら、賭けても大丈夫ですか?

弁護士

川原朋子


【きょうの弁護士】川原 朋子
青森県出身。「人を直接助ける仕事がしたい」と、働きながら夜間のロースクールに通い、司法試験に合格。弁護士に加え、メンタル心理カウンセラーなど多数の資格を持つ。現在、アディーレ法律事務所では、弁護士の立場からマーケティング施策などに従事。プライベートでは海外ドラマが好きで、なかでも好きなのは「刑事もの」や「弁護もの」。特に女性弁護士アリーが主人公の『アリーマイラブ』は、子どもの頃から何度も見返すほどのお気に入り。(埼玉弁護士会 所属)


日本の刑法は、賭博行為を禁止しており、罰則は「50万円以下の罰金又は科料」です(刑法185条)。常習的な場合は、「3年以下の懲役」となります(刑法186条1項)。

仮に、海外に拠点があるオンラインカジノが、 現地では合法的に運営されていても、日本からアクセスして賭ける行為は賭博罪 にあたります。


賭博罪には国外犯処罰規定がないため、 オンラインカジノが合法な国に渡航して賭ける場合、日本の刑法で処罰されることはありません。

国外犯処罰規定とは、「日本国民が海外で一定の犯罪行為を行った場合にも、日本の刑法が適用される」という規定です(刑法3条)。

殺人や傷害、名誉毀損などには国外犯処罰規定がありますが、賭博罪にはありません。


オンラインカジノの利用者増加に伴い、警察庁や消費者庁も犯罪性を指摘し、注意喚起を行っています。

刑法では「法律を知らなかったとしても、そのことによって、罪を犯す意思がなかったとすることはできない」(刑法38条3項)と定められており、 「違法だと知らなかった」という言い訳は通用しません。

海外のオンラインカジノであっても、日本からアクセスして賭けることは犯罪ですので、絶対にやめましょう。

出典:警察庁ウェブサイト(https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/hoan/onlinecasino/onlinecasino.html

出典:消費者庁ウェブサイト(https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/caution/caution_030/