【きょうのギモン】交通違反で警察に止められて、納得できないので違反を認めないとどうなりますか?
弁護士
川原朋子
【きょうの弁護士】川原 朋子
青森県出身。「人を直接助ける仕事がしたい」と、働きながら夜間のロースクールに通い、司法試験に合格。弁護士に加え、メンタル心理カウンセラーなど多数の資格を持つ。現在、アディーレ法律事務所では、弁護士の立場からマーケティング施策などに従事。プライベートでは海外ドラマが好きで、なかでも好きなのは「刑事もの」や「弁護もの」。特に女性弁護士アリーが主人公の『アリーマイラブ』は、子どもの頃から何度も見返すほどのお気に入り。(埼玉弁護士会 所属)
一時停止違反や信号無視、スピード違反など、軽微な違反で警察官に交通違反を指摘され、反則金を納付するよう言われることがあります。いわゆる青キップですね。
この交通違反における手続きは、正式には『交通反則通告制度』といいます。
これは、実は、国にとっても違反者にとってもメリットのある制度です。 極めて多い交通違反について、いちいち刑事裁判を起こしていたら国も大変です。
一方で、違反者は、違反を認めて反則金を納付し、違反点数の加算というペナルティを受ければ、裁判にはなりませんし、前科が残ることもありません。
もちろん 「違反だ」という指摘に納得できない場合、違反キップへのサインを拒否できます。 ただし、それは「交通反則通告制度ではなく、正式裁判で決着したい」ということになりますので、リスクをしっかり理解しておいた方がいいでしょう。
まず警察から取り調べとして、出頭要請を受けることがあります。
その要請に応じないでいると、逮捕されるおそれがあり、実際に起訴されて刑事裁判になれば、被告人という立場で裁判所に出廷することになります(もちろん、起訴されない可能性もあります)。
さらに、その裁判でもし有罪になれば、罰金を支払い、前科がつくことになります。
また違反キップにサインしても、「絶対に違反はしていない」とやはり納得できないのであれば、反則金を納付しない選択も可能です。
ただし、 反則金を期限までに支払わずに放置していると、先ほどの違反キップにサインしない場合と同じで、刑事手続きが進行するリスクがあります。
「納得できないけど、もしかしたら違反してたかもしれない…」というのであれば、裁判のリスクなどを考慮すると、反則金を収めるのが穏当かもしれません。