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【きょうのギモン】マッチングアプリでプロフィールを偽ったら、罪になりますか?

弁護士

神野由貴


【きょうの弁護士】神野 由貴
税関職員の経歴を経て、弁護士に。アディーレ法律事務所にて、不貞慰謝料の請求における交渉・訴訟、また弁護士の視点からマーケティング施策などに携わる。プライベートでは、小学生の頃からの歴史好き。歴史ドラマやYouTube、書籍など、普段から様々な歴史コンテンツを楽しみ、時間ができれば、歴史的な名所にも足を運んでいる。(兵庫県弁護士会 所属)


プロフィールを偽っただけであれば、少なくとも犯罪にはならない可能性が高いでしょう。 たとえば、年収や身長などを「盛った」としても、基本的に犯罪ではありません。

プロフィールを偽っただけであれば、少なくとも犯罪にはならない可能性が高いでしょう。 たとえば、 年収や身長などを「盛った」としても、基本的に犯罪ではありません。


ただし、次のような場合には犯罪が成立する可能性があるため、注意する必要があります。

①年収や肩書などを偽り、それを信じた人からお金などをだまし取った場合

この場合は、詐欺罪が成立する可能性が高いです。

ポイントは、単に見栄を張ったのではなく、ウソによって「金銭的価値のある物」や「財産上の利益」が得られたのかです。

②職業を偽り、本来その資格がなければしてはいけない業務を行った場合

この場合は、各業法に違反する可能性があります。

たとえば、弁護士であると偽り、法律相談に乗って報酬を得るなどすれば弁護士法に違反します。また医師であると偽って、医療行為を行えば医師法違反です。

なお、医師や弁護士などの一定の職業は、名乗っただけで各業法に違反する おそれもありますので絶対にやめましょう


もっとも、民事上の責任は別! 簡単に言えば、ウソによって被害を受けた人がいれば、その償いはしなければいけません。

よくある例として、本当は既婚者なのに独身であると偽ったり、結婚を前提とした交際を装ったりして、マッチングした相手と肉体関係を持ったケースが挙げられるでしょう。

この場合、民事上の責任が問われ、 貞操権侵害を理由に慰謝料を支払わなければならない可能性があります。

そもそも、プロフィールを偽ってアプリを利用した場合、一般的には利用規約に違反しているといえるでしょう。その結果、退会処分になる可能性も否定できないため、ご注意ください。