裁判官や検察官にもバッジがあるって本当?弁護士に聞いてみた!
弁護士
神野由貴
こんにちは、アソベン編集部です。
本日、弁護士に聞いてみる内容がこちら!
「弁護士バッジだけじゃなくて、裁判官や検察官にもバッジがあるって本当??」
「バッジってどんなもの??」
「ちなみに裁判官や検察官って、どうやってなる??」
などなど、詳しく教えてもらいます!
裁判官や検察官のバッジについて教えてくれる弁護士
【きょうの弁護士】神野 由貴
税関職員の経歴を経て、弁護士に。アディーレ法律事務所にて、不貞慰謝料の請求における交渉・訴訟、また弁護士の視点からマーケティング施策などに携わる。プライベートでは、小学生の頃からの歴史好き。歴史ドラマやYouTube、書籍など、普段から様々な歴史コンテンツを楽しみ、時間ができれば、歴史的な名所にも足を運んでいる。(兵庫県弁護士会 所属)
裁判官や検察官にもバッジがある!
みなさんは、裁判官や検察官にもバッジがあることをご存知でしょうか?
弁護士バッジの存在は知っていても、裁判官や検察官のバッジについては知らないという方も多いかもしれません。
実は、「法曹三者(弁護士・裁判官・検察官)」にはそれぞれバッジが存在し、 裁判官や検察官のバッジにも、そのデザインには深い意味が込められています。
裁判官のバッジってどんなもの?
裁判官が付けているバッジは、日本神話に登場する「三種の神器」の一つである八咫の鏡(やたのかがみ)がモチーフです。
鏡は清らかで、曇りなく真実を映し出すことから、裁判の公正さを象徴している といわれています。
バッジ中央にデザインされているのは、裁判所の「裁」の字です。
「裁判官のバッジ」のイメージ(イラスト)
検察官のバッジってどんなもの?
検察官のバッジは、紅色の旭日(朝日のこと)の周りに、白い菊の花びらと金色の葉があしらわれたデザインです。
「検察官のバッジ」のイメージ(イラスト)
その形が霜と日差しに似ているため、「秋霜烈日(しゅうそうれつじつ)」のバッジとも呼ばれています。
秋霜烈日とは、秋の冷たい霜と夏の暑い日差しのことで、刑罰の厳しさにたとえられます。
裁判官と検察官の仕事内容
日常生活で、裁判官や検察官の仕事に触れる機会がある方は、それほど多くないかもしれません。
ここからは簡単に、それぞれの仕事内容について紹介します。
裁判官の仕事内容
裁判官は、法律に基づいて公正な判断を下すことを主な職務としています。
具体的には、民事事件や刑事事件、行政事件など、さまざまな種類の裁判において、 証拠や証言をもとに事実関係を明らかにし、法律を適用して判決を下します。
また、刑事事件で、「逮捕」や「捜索差押」、「保釈」などを許可するのも裁判官の仕事です。
つまり、警察が犯人(と思われている人)を逮捕したくても、裁判官の許可がなければ原則として逮捕はできません。(例外:現行犯逮捕など)
検察官の仕事内容
検察官の主な仕事は、犯罪の捜査や刑事裁判の遂行です。
一般的に犯罪捜査を行うのは警察ですが、ときには検察官も主体的に捜査を行うこともあります。
関係者に話を聞いたり、証拠の内容を吟味したりして、被疑者を起訴(※)するかどうかを最終的に判断します。
(※)起訴:検察官が刑事裁判を起こすこと
刑事事件において、 被疑者を起訴するか不起訴にするかを決定できるのは、検察官だけ です。
そして、起訴した事件につき、刑事裁判において求刑を行い、裁判所に適切な判決を求めることも、検察官の仕事です。
裁判官や検察官になるには?
裁判官や検察官になるには、実は基本的に 弁護士と同じように、司法試験に合格することが必要 です。
司法試験に合格した後には、「司法修習」という1年間の研修期間があります。
司法修習中に、「法曹三者」のうちいずれの道に行くのかが決定され、司法修習生の多くは、司法修習が終われば弁護士登録をして弁護士になることが一般的です。
(※)修習後は必ず法曹三者いずれかになるとも限りません。それ以外の職業や学術研究などに従事する方もいます。
一方、 裁判官や検察官になるには、基本的に司法修習生の中から選ばれ、採用される必要があります。
本人の希望や適性も考慮されますが、裁判官や検察官になることを希望するのであれば、司法修習中に良い成績を修めておくことが望ましいでしょう。
なお、司法修習には卒業試験のようなものがあり、それに合格しなければ法曹三者のいずれになることもできません。
司法試験に続く二回目の試験であることから、一般的に「二回試験」と呼ばれていますが、正式名称は「司法修習生考試」といいます。
まとめ
弁護士バッジだけでなく、裁判官や検察官にもバッジが存在し、それぞれには深い意味が込められています。
裁判官のバッジは、 三種の神器の一つである八咫の鏡がモチーフで、裁判の公正さを象徴 しており、バッジの中央には「裁」の字がデザインされています。
検察官のバッジは 紅色の旭日と白い菊の花びら、金色の葉があしらわれ、「秋霜烈日」の厳しさを表現 しています。
裁判官の仕事は、主に法律に基づいて公正な判断を下すことです。また、「逮捕」や「捜索差押」などの許可も行います。
検察官の主な仕事は、犯罪の捜査や刑事裁判を遂行することや、被疑者を起訴するかどうかを判断することです。
裁判官や検察官になるには、原則として司法試験に合格し、司法修習を経て選ばれる必要があります。