全国「おもしろ条例」クイズ!そんなのアリ?な日本各地の “ローカルルール”
アソベン編集部
おち
こんにちは、アソベン編集部のおちです。
日本には各地で様々なローカルルールがありますが、そのなかで “公式ローカルルール” ともいえる存在があるのをご存じでしょうか?
それがーー
「条例」です!
そもそも条例とは「地方自治体が独自に定めるルール」のこと。
効力が及ぶのはその地域限定ですが、法律の範囲内で、自由にルールを制定(議会の議決は必要)することができます。
つまり日本には「法律」という全体のルールに加えて、自治体によって公式に、「条例」という、その地域の独自ルールがつくられているわけです。
……さて、日本には都道府県、そして市区町村という単位で自治体が存在しております。北は北海道、南は沖縄まで、これだけの地域で独自の “公式ローカルルール” があるのだとしたら、なかには……
おもしろいルールも、あるんでないでしょうか??
と、いうわけで今日は「条例」をテーマに、こんな企画をやってみたいと思います。
題して、
おもしろ条例クイズ!
日本全国の “おもしろい条例” を、「クイズ形式で楽しくご紹介してみたい」という企画。そのクイズをお届けするにあたって、今日はこの人にご協力をお願いしました!
一宝 雄介(弁護士/アディーレ法律事務所)
静岡県出身。弁護士として、主に男女トラブルに関わる慰謝料請求などの案件を手掛ける。趣味はプラモデル、特にガンプラ。最近一番高い買い物は、ガンダムのマンガの大人買い。(第二東京弁護士会 所属)
はい、よろしくお願いします。あの、ちょっと気になったんですが、これ……(ホワイトボード)
一宝先生をお呼びするにあたって、ご用意させていただきました。
あ、そうなんですね……ありがとうございます(苦笑)。
いえいえ。
……。
(もうちょっとうまく描けなかったんだろうか…)
さて、今日は「日本にはきっとおもしろい条例がたくさんある」ということで、一宝先生にクイズを出題いただきたいと思っております。
はい。
ここでちょっと、そもそもになっちゃうんですが…率直に日本に “おもしろい条例” ってあるんでしょうか?
個人的な感覚にはなりますが…あります。
あ、よかったです。
たとえば一つの例として、条例の中には、地域のまちづくりの方向性などを示した「理念条例」と呼ばれるものがあります。
理念条例。
代表的なのが、地産地消や特産品の普及促進を目的にした、「乾杯条例」です。 “地域の特産品で乾杯しよう” と呼びかけるもので、「ワイン」「お茶」「牛乳」など、様々な飲料で全国各地にユニークな条例がつくられています。
それは地域ならでは、おもしろい。
特にこうした条例は、基本的に罰則はなく、強制力がありません。そのため目的を達成するには広く条例を浸透させることも大切で、「名前」をキャッチーにしたり、個性的な表現で「条文」を作成したり、独自色の強いものも多く生まれています。
なるほど。
今日はそのなかでも、特にユニークだと思う「5つの条例」について、クイズを出題しようと思います。
ありがとうございます。ぜひ「日本にそんな条例があったんだ」と、気楽にご参加いただければと思います!
【全5問】おもしろ条例クイズ!!
第1問
まずは大阪府 泉佐野市の 「泉佐野市ワタリガニの普及の促進に関する条例」 から問題。
※ワタリガニ…甘味のある身と濃厚なミソが美味しい、高級カニ。泳いで海を渡り歩くことが、その名の由来。
その「ある行動」とはなんでしょう?
先ほどご紹介した「乾杯条例」と同様に、特産品の普及促進を目的にした条例ですが、方法がユニークですよね。
こういうパターンもアリなんですね。
まあ強制ではないですからね。ちなみに写真撮影のポーズは、『ワタリガニポーズ』というらしいです。
ダブルピースみたいな…?
そうですね…少し言葉では難しいので、実際にやってみると、
多分こんな感じ。
実際にWeb上にもいくつか『ワタリガニポーズ』の写真がありました。
なるほど。
より『ワタリガニ』っぽさを求めるなら、もう少しピースした手を低い位置に持ってきてもいいかもしれません。
レクチャーありがとうございます。僕も泉佐野市に行ったときには、ぜひやってみようと思います。
(※)参考:泉佐野市ワタリガニの普及の促進に関する条例
第2問
次は熊本県 人吉市の 「子どもたちのポケットに夢がいっぱい、そんな笑顔を忘れない古都人吉応援団条例」 からの問題。
「ふるさとはあなたの思い出のとおり、今も青い山々と翠なす球磨川のきらめきの中で春夏秋冬を優しく刻んでいます。」
こちらのポエムっぽい部分は条文の前書き(前文)になるのですが、改めて冒頭からご紹介すると、
人吉をふるさとだと思っていただいているすべての方々に伝えたい。
ふるさとはあなたの思い出のとおり、今も青い山々と翠みどりなす球磨川のきらめきの中で春夏秋冬を優しく刻んでいます。
あの春の日、大きな夢と少しの不安を抱いて旅立った人吉駅のプラットホームは、昔と同じ官製(昭和)の匂いがかすかに残ったまま新生SLを迎え、秋空に響き渡るおくんち祭りの青井さんは国宝になりました。
ここまでで半分くらい。ここからもまだまだ、地元への愛情と熱意にあふれた文章が続きます。
一般的な条例の前文って、こういうのではないんですか?
いやあ違いますね(笑)。やはり条例にも一定の厳格さが求められるので、一般的にこうした情緒的な文章が用いられることはないです。
たしかにお堅めな文章のイメージが。
ケースバイケースにはなると思いますが、こうした表現も許容されるのは理念条例ならではかもですね。
第3問
3問目は、福島県 伊達郡 川俣町における「条例の名前」に関する問題。
条例名に「絵文字が使われている」と注目される条例なのですが、その名前はどれでしょう?
まさかのそのマーク。
正直、私もはじめて見たときは驚きました。
というか絵文字って、使っていいんですか?
まあハートマークは記号ともいえるかもですが、ダメだという決まりはないようですね
まあそうか。
ただ、この条例は30年ほど前(1993年)に制定されていますが、こういう条例は他に調べても出てこなかったんですよね。
全国に広がってはいない…?
はい。こうした絵文字のようなものは、人によって印象が変わるところもありますしね。またデジタル上では形状が違ったり、そもそも表示されなかったり、弊害もありそうなので、「使っても良い」とはいえ、なかなか使うのは難しいんだろうと思います。
(※)参考:川俣町「友♡ゆう♡の日」を定める条例
第4問
続けて、埼玉県 川口市の「条例の名前」に関する問題。
条例名の冒頭「〇〇〇」には『川口プライド』を象徴するような言葉が入りますが、それはなんでしょう?
最近、「地域への誇りと愛着(シビックプライド)」を育むことを目的に、条例を制定する動きが広がっているのですが、これはその一つ。この想いのままに一直線な名前は、個人的には好みです。
なんか若い頃の青春を思い出します。
たしかに。大人になったら、なかなか大きな声で「大好きだ」なんて言わないですからね。
まあそれくらい熱い想いを育んでいこうという条例ですね。
はい。余談ですが、施行されたのは「2023年4月1日 」のエイプリルフール。「ネタだと思ったら本当だった」と、ちょっとSNSで話題になったみたいです。
たしかにエイプリルフールなら、やすやすとは信じそうにない名前。
第5問
最後は、青森県 板柳町の 「りんごの生産における安全性の確保と生産者情報の管理によるりんごの普及促進を図る条例」 に関する問題。
この〇〇〇の内容にちなみ、青森県 板柳町自身が条例に略称をつけているのですが、それはどんな名前でしょうか?
これは…正式名称からは想像つかない(笑)。
「まるかじり」できるくらい、安心安全なりんごを届けていこうという想いからつけられたようですね。
たしかに「まるかじり」は安心と安全をイメージしやすいですね。そして町民と一丸となって「りんごのまるかじり」を普及していこうと。
はい。りんごは「まるかじり」すると、虫歯の予防にも効果があったり、普通に食べるより健康にも良いみたいですしね。
それはぜひ積極的に「まるかじり」していかないとですね。
私も幼稚園の頃のトラウマから、りんごの「まるかじり」を封印してたんですが…
あ、そうなんですか。
はい。でもこれを機に、20数年ぶりに「まるかじり」にチャレンジしてみようかと思いました。
りんごを「まるかじり」した友達の歯が、勢いよく抜けるのを目の当たりにして…すごい恐怖体験でした…
ぜひとも無事にトラウマが克服されるよう、応援しております。
まずは優しくかじってみるところから、はじめてみようと思います(笑)。
「おもしろ条例クイズ」終了!
みなさんは何問正解できたでしょうか?!
文化や考え方、想いなど、地域の様々な背景からつくられる条例。他にもいろんなユニークな条例があるので、よければぜひ調べてみてください!
一宝先生、今日はよろしくお願いします。