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【お見送り芸人しんいち×弁護士対談】冠ラジオ番組で共演。弁護士とのトークで、しんいちはどう変わった?!

アソベン編集部

おち

『R-1グランプリ2022』チャンピオン、最近では『水曜日のダウンタウン』をはじめ、バラエティ番組での活躍が目覚ましい、お見送り芸人しんいちさん。

お見送り芸人しんいちさん

そんなしんいちさん初の冠レギュラー番組として、2023年10月にスタートしたのが「お見送り芸人しんいちの『えっ!ちょっと待って!!』(ニッポン放送)」です。


「お見送り芸人しんいちの『えっ!ちょっと待って!!』」とは
その名の通り、お見送り芸人しんいちが日常で「えっ!ちょっと待って!!」と気になった事を話していく30分のラジオ番組。ニッポン放送で、毎週日曜21時10分から放送中。


番組ではしんいちさんが「えっ!ちょっと待って!!」と日常で気になったことを話していくのですが、毎週後半パートでは弁護士も出演。

しんいちさんやリスナーが気になる「日常のちょっとした法律のギモン」を話題に、トークを繰り広げています。

“準レギュラー” として、初回から出演する落合 亮太弁護士(アディーレ法律事務所)。番組では毎週、アディーレ法律事務所の弁護士が入れ替わりで出演し、しんいちさんとトークを行っている。


「弁護士が出演」と聞けば少しお堅い雰囲気もイメージしますが、そこはしんいちさん。気兼ねのない “口撃” により、弁護士とのかざらない掛け合いが流れます。

どんな人ともこうした “身近な距離感” で話せてしまうのは、しんいちさんならでは。ただ意外にも、番組がはじまる前は弁護士や法律へのとっつきにくいイメージから、「正直、自分の色が出せるか心配だった」と話します。

番組開始から、およそ8か月。その印象は変わったのでしょうか?

ニッポン放送、ラジオ収録前のブースにて。初回から共演する落合弁護士と、番組について語ってもらいました!


弁護士との番組、最初は心配だった

ーー『えっ!ちょっと待って!!』では落合先生をはじめ、毎週いろいろな弁護士と共演されていますが、しんいちさんはもともと「弁護士」にどんなイメージがありましたか?

しんいち  やっぱ僕も「お堅い」とかってイメージでしたよ。ほんと難しい言葉とか、見たことない漢字グワーみたいな、ボケたりも多分しないんだろうなって。

落合弁護士 やっぱり、そういうイメージを持たれてる方は多いですよね。

しんいち  世間の9割くらいはそうなんちゃうかな。どうしても見るところって、テレビのニュースのね、真面目な顔で裁判所に入っていくところだったりするじゃないですか。

しんいち  逆に言うと、そういうところでしかあんま絡むとこないし。番組の話が決まったときも、「うわ、これ僕の色出るかな」って、やっぱ最初心配はありました。

落合弁護士 こういう一般的な「弁護士像」って、弁護士自身がつくってるところもあるのかなと思うんですよね。敷居が高いイメージを自分たちでつくっちゃってるから、どうしても多くの人との “距離” がある。

でも言ってしまえば、弁護士って別になんでもない普通の人間だし、飲みに行ったら普通の話をするわけですよ。

しんいち  そうなんです。だから僕も、実際に話してみたら全然違ったなって。ほんまみんな同じ人間、男の子、女の子。話したい内容って、一緒なんですよ。

やっぱ芸能ゴシップとかも好きやし。「あのニュースって実際どうなんですか?」とか、収録前とかけっこう聞かれますし。

落合弁護士 それはやっぱり聞いちゃいますよね(笑)。

しんいち  特にここに来てくれる先生は、バラエティめっちゃ見てるし、よう笑う。芸人好きとかっていうのもめっちゃ伝わるんですよ。

だから実は「弁護士」ってそうじゃないよ、っていうのがこのラジオで伝わればいいなと思いますよね。


しんいちさんとだから、「弁護士像」を纏う必要はない

ーー実際に番組では、いろんな弁護士の “パーソナルな顔” が見えるのが印象的です。特に落合先生もかなりラフな雰囲気でお話されていますよね。

落合弁護士 そこはしんいちさんが、もうぐいぐい距離を詰めてきてくれるんで(笑)。

僕も番組では法律とは関係ない、ファッションとか車とか、個人的なネタも話してますけど。余計な「弁護士像」をつくらずに話せるので、すごくやりやすいですね。

しんいち  まず僕は職業とか立場とかは置いといて、人間が好きなんですよ。皆さん「弁護士」って肩書を背負って出てもらってますけど、やっぱ僕は “その人” の話が聞きたい。

だからまず、その人のパッと見の “粗探し” から入って、ああだこうだ言うようにしてますね。

落合弁護士 粗探しって言葉は悪いですけど(笑)。たしかにしんいちさんって、ツッコんでほしいなってところを必ずツッコんでくれる。

こういう人って、なかなか弁護士の業界にはいないので、話していてすごくおもしろいですよね。

しんいち  でもこれ落合先生にはね、ツッコむっていうか、ほんまに鼻について言ってるときあるんです。

「またそういうことを…」

しんいち  ただこの鼻につく感じが、もう「落合弁護士」って感じなんですよね。

「女の子にモテたい」とかって、弁護士も芸人も、言うたら会社員とかみんな一緒だと思うんですけど、それを落合先生はちゃんと言ってくれるんです。そこがやっぱ好きやし、話してておもろいなと思いますね。

落合弁護士 まあ僕自身、このラジオでは身近に感じられる “リアルな弁護士の姿” を見せられた方がおもしろいと思っていて。法律の話をしても、堅苦しい雰囲気で、よくわからない人に難しい言葉を並べられても、入ってこないんですよね。

落合弁護士 だからこそ、身近な具体例に落としてできるだけわかりやすく説明しますし、自分がどんな人間なのかも伝えていく。これを両立することで、難しそうに感じる法律も、多くの方にわかりやすく、楽しく伝えられるんじゃないかと思っています。


「法律のギモン」は、日常に転がっている

ーー毎週しんいちさんからお話されている、「日常のちょっとした法律のギモン」。かなり “ざっくばらん” にお話されている印象もありますが、落合先生は、番組で弁護士としてお答えされていていかがですか?

落合弁護士 これは正直、めちゃくちゃ勉強になってます。そもそも法律論じゃないこともあるんですが(笑)、やっぱりこういうこと考えるよな、みたいな。

法律を勉強している僕らとしては、どうしても「当然でしょ」と思ってしまっている部分もあるんですよね。それを「法律論で考えたときどうなるかな?」みたいに、ふと立ち止まって考え直すいいきっかけになってます。しんいちさんの着眼点は、すごいと思いますよ。

しんいち  うれしいです(笑)。

落合弁護士 「新幹線で両脇にあるコンセントをどちらも使われていて、充電できずにモヤモヤした」とか、「後輩に呼ばれて店に行ったらお金だけ払わされたんだけど、法律でどうにかできないか」とか、よく毎週こんないろいろ出てくるなと。

しんいち  これは思いついたときに、もうずっとネタ帳にメモってます。

スマホのネタ帳を紹介してくれた、しんいちさん

しんいち  たとえばさっきもメモったんですけど、おしっこしてたら、向かいのでっかいビルに全面ガラス張りのプールがあったんですよ。スイミングスクールの広さでもないし、これ金持ちが行くだけのプールやろなって。

しんいち  泳いでる人ずっと見てたら、見せるためにやってんちゃうやろなとか、どんな金持ちが行けるんやろとか、僕もあっこに行けるようになりたいなとか、いろいろしゃべりたいなと思って。ほんまラジオでは、こういう日常で普通に思ったことしゃべってますね。


ーー「法律のギモン」はリスナーからも募集していますが、おもしろい投稿が多いですよね。

しんいち  これはほんまにおもろいですね。たとえばこの前おもろかったのは、スポーツのイベントで「無料招待キャンペーンって聞いてたのに、660円の手数料を請求された」とかすごい怒ってるメールが来てて。

「無料って聞いてたのに、払いたくない」とか「騙してんじゃないか」とか、これ僕はちょっと言いづらかったんで、よう言うてくれたなと思いました。

落合弁護士 660円っていう金額がいいですよね。

しんいち  そうなんですよ。これ金額がぶわっと上がると、ちょっと笑いづらい話になっちゃうんだけど、数百円の話っていう。

660円くらい払えよ、っていうのもちょっと思ったりするけど、無料って言ってたから1円も払うのは嫌やっていうのもわかる。せこいなって思ったりしますけど、それがいいんですよね。

落合弁護士 数百円でも損したくないですから。

しんいち  ほんまそう。みんなせこいですから。やっぱこういうのは、人間らしくておもろいなぁと思いますね。


番組がはじまってからの、しんいちさんの変化

ーーこれまで番組では様々な法律の話題を扱ってきたと思うのですが、特にしんいちさんの生活で役立ったお話などありますか?

しんいち  やっぱ浮気とか結婚してからの慰謝料とかの話ですね。特にはじめの頃によく取り上げてましたけど、それはほんと全部覚えとこ思いました。僕なんてほんまに今ね、女性関係でほぼほぼ仕事してる状態ですから。

落合弁護士 これは覚えておいて損はないです。僕も弁護士になって、個人的に1番役に立ったのは不倫と離婚の知識ですから(笑)。

しんいち  女性と一緒に遊ばせてもらう上で、部屋で2人きりになるときとかも、やっぱり一筆書いていただくっていう。

しっかりと許可を得てから、「それじゃあ…」って。女の子にちゃんと言葉で聞くっていうのは必ずやるようになりました。

落合弁護士 それはほんと大事です。

しんいち  僕『水曜日のダウンタウン』のハニートラップ企画(※)で引っかかったときも、自然と「チューしていい?」って聞いてました。

(※)同じ女性から、しんいちさんが5回連続でハニートラップを仕掛けられた企画。番組内の “指なめ” 発言なども話題に。

あれは完全にアディーレの弁護士の皆さんが、つくりあげた僕です。

落合弁護士 あれはおもしろかった(笑)。

しんいち  でも、これは本当に大事なことなんですよね?

落合弁護士 そうですね。

しんいち  「チューしていい?」とか、「指なめていい?」とか、ちゃんと女の子に聞いて、「いいよ」って言われてからする。

落合弁護士 その通りです。

しんいち  僕だからこの番組はじめてから、LINEのやり取りとかも「デートしてくれませんか?」「デートしましょう」とか、“デート” ってワードをつけてるんですよ。

それで「はい」って言ってくれたら、ちゃんとデートとして来てくれたんだって。いま僕はそうやって全部残してます、証拠を。

落合弁護士 やましいから残さないじゃなくて、ちゃんとやり取りを残しておく。そうすれば万が一、そういう関係になった後、ややこしい状況になったとしても、合意があったというエビデンスとして身を守ることもできますからね。

しんいち  そうですよね。だからいま僕そんなコソコソしなくなりました。

「ちゃんと実践してくれていて良かったです」

落合弁護士 やっぱり法律を知らないから損をしたり、逆に知っているからこそ得をしたりする場面はあるんですよね。それを皆さんに楽しく伝えて「お役に立てる」っていうのは、この番組に出ていてすごくいいところだなと思います。

しんいち  けっこう笑いでやってるけど、絶対役に立つと思うから、ぜひみんなに聴いてもらいたいですね。特に男女関係なんか、みんなに大事なことやからね。

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