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【きょうのギモン】お店の予約に、偽名を使っても大丈夫ですか?

弁護士

神野由貴


【きょうの弁護士】神野 由貴
税関職員の経歴を経て、弁護士に。アディーレ法律事務所にて、不貞慰謝料の請求における交渉・訴訟、また弁護士の視点からマーケティング施策などに携わる。プライベートでは、小学生の頃からの歴史好き。歴史ドラマやYouTube、書籍など、普段から様々な歴史コンテンツを楽しみ、時間ができれば、歴史的な名所にも足を運んでいる。(兵庫県弁護士会 所属)


飲食店などのお店を予約する際、実は偽名を使って予約すること自体は基本的に違法ではありません。予約どおりに来店し、代金を支払うのであれば、お店側に損害や迷惑は生じないからです。

ただし、 偽名で予約して無断キャンセルをするなどの嫌がらせを行った場合は、偽計業務妨害罪(刑法第233条)などの犯罪が成立する可能性があります。


お店に迷惑をかける行為は絶対に避けましょう。


飲食店などの場合はご説明したとおりですが、ホテルなどの宿泊施設だと話が違ってきます。

『旅館業法』によると、ホテル側から氏名などを求められた場合、宿泊者は正確な情報を提供しなければなりません。 もし偽名を使って宿泊した場合、拘留または科料に処される可能性があります(旅館業法第6条2項、同第12条)。

不倫旅行など、偽名で宿泊予約をしたいという需要は一定数あるようです。実際に問題になることはあまりないようですが、法律違反には違いありませんので、正確な情報を提供するようにしましょう。