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【きょうのギモン】居酒屋のお通しは、法的に断れませんか?

弁護士

川原朋子


【きょうの弁護士】川原 朋子
青森県出身。「人を直接助ける仕事がしたい」と、働きながら夜間のロースクールに通い、司法試験に合格。弁護士に加え、メンタル心理カウンセラーなど多数の資格を持つ。現在、アディーレ法律事務所では、弁護士の立場からマーケティング施策などに従事。プライベートでは海外ドラマが好きで、なかでも好きなのは「刑事もの」や「弁護もの」。特に女性弁護士アリーが主人公の『アリーマイラブ』は、子どもの頃から何度も見返すほどのお気に入り。(埼玉弁護士会 所属)


ポイント① お通しも契約の一部!

お通し(突き出し)は通常、客側が注文しなくても、店側が自動的に提供するものです。300円~500円程度で、居酒屋で提供されることが多いようです。

こうしたお通しですが、店側の「お通しを買ってください」という申し込みに対し、客側が承諾する(お通しを提供する契約が成立する)ことで提供されています。 そのため客は「お通し提供の申し込み」を、拒否することが可能です。


ポイント② 明確にNOの意思表示をする

お通しを断るには、 入店時や席に着く際、明確に意思表示をすることが重要です。

たとえば「お通しは不要です」と伝え、お通しの契約成立を避けることで、代金を支払う必要はなくなります。


ポイント③ お通しの注文が必須の店もある

客一人に対し、お通しを有料で提供することがメニューなどで明確に示されていたり、席料の趣旨でお通しの注文が義務だったりする店もあります。

そのような店では、 客はその契約内容に同意したうえで店を利用することになりますので、お通しを断ることはできないでしょう。 どうしてもお通しの代金を払いたくなければ、店を変えましょう。

お通しを断った際、問題なく受け入れてくれる店もあれば、「当店ではお通しは必須です」と断られることもあると思います。

魅力的なお通しを準備する店も増えてきているようです。せっかく居酒屋を訪れたのですから、トラブルなくお店とコミュニケーションを取ることが、楽しい時間を過ごすことにつながるでしょう。