【きょうのギモン】「高校生の弁護士」って、現実でありえますか?
弁護士
相原彩香
【本日の弁護士】相原 彩香
一橋大学法科大学院を経て、弁護士に。現在はアディーレ法律事務所にて、主に「法律記事ライター」として、「日常のトラブルや悩み」の解決につながる、法律記事の執筆を手掛ける。月に一度は旅行に行くほどの旅行好き。
ポイント① 司法試験に年齢制限はない
弁護士になるには、基本的に「司法試験」に合格する必要があります。
実は司法試験に年齢制限はなく、高校生であっても、合格すれば弁護士になることが可能です。
ポイント② 実際に高校生の合格者も
ただし、司法試験を受験するには、以下の資格が必要です。
① 法科大学院(ロースクール)を修了
② 1年以内に法科大学院(ロースクール)を修了見込み(※)
③ 予備試験に合格
(※)2023年から法科大学院在学中でも、司法試験を受験することができるようになりました。所定の単位取得と1年以内に法科大学院に修了見込みで司法試験を受験することができます。
法科大学院の入学には、大学卒業もしくは大学卒業見込みが必要ですが、予備試験の受験には、年齢制限はありません。
つまり、 「③予備試験に合格」すれば、高校生でも司法試験の受験が可能です。 そのため、理論的には「高校生の弁護士」はありえるといえるでしょう。
(※)ただし予備試験の合格率は4%前後。「司法試験(本試験)の受験資格を得るための試験」とはいえ、100人が受験して4人前後しか合格しない、“文系最難関試験”です。
ちなみに、これまでの司法試験の最年少合格者は17歳(受験時)。高校に通いながら勉強し、予備試験、そして司法試験に合格したようです。
(※)2024年11月現在
ポイント③ 実際に高校生の弁護士は存在する?
実際に「弁護士になる(弁護士として働く)」ためには、司法試験に合格した後、さらに約1年間にわたる「司法修習」を修了する必要があります。
そのため1年の修習を踏まえると、『高校生弁護士』となるには 「16歳程度で合格」する必要があり、現時点では高校生の弁護士は存在しない と考えられます。
仮に、今後合格した高校生がいても、高校や大学に行かず、司法修習を経てすぐに「弁護士になる」ことを選ぶ人は少ないのではないでしょうか。
高校・大学(や大学院)を卒業した上で、「司法修習」を受け、弁護士になる人が多いと思われます。