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【きょうのギモン】かっこいい名字に変えたりって、できますか?

弁護士

川原朋子


【きょうの弁護士】川原 朋子
青森県出身。「人を直接助ける仕事がしたい」と、働きながら夜間のロースクールに通い、司法試験に合格。弁護士に加え、メンタル心理カウンセラーなど多数の資格を持つ。現在、アディーレ法律事務所では、弁護士の立場からマーケティング施策などに従事。プライベートでは海外ドラマが好きで、なかでも好きなのは「刑事もの」や「弁護もの」。特に女性弁護士アリーが主人公の『アリーマイラブ』は、子どもの頃から何度も見返すほどのお気に入り。(埼玉弁護士会 所属)


ポイント① 原則、名字変更には裁判所の許可が必要

名字を変更するためには、家庭裁判所に対して、「氏の変更許可の申立て」を行い、許可してもらう必要があります。

ただし、 単に「かっこいい名字にしたい」という理由では認められず、「やむを得ない事由」が必要 です(戸籍法107条1項)。

「やむを得ない事由」は個別具体的に判断されますが、「名字が珍しく奇怪である」「離婚後、必要があって婚姻時の名字を維持したが、必要な期間が終わったので婚姻前の氏に戻したい」などの事情が考えられます。


ポイント② 例外的に、届出のみで名字変更ができる場合も

例外として、 「婚姻による改姓」「養子縁組による改姓」「離婚後の旧姓復帰」 などの場合には、裁判所の許可は不要です。

婚姻届など必要な書類を役所に提出することによって、名字が変更されます。


ポイント③ 名字変更の社会的影響を考慮する

名字は、社会において個人の同一性を確認する重要な要素です。先祖代々から受け継がれてきたものであり、もともと個人が自由に付けられるものではないため、安易な名字変更は認められていません。

また、名字変更が認められた場合でも、 戸籍や各種証明書の変更、銀行口座や保険契約の名義変更など、様々な手続きが必要 となります。

これらの手続きには時間と労力がかかるため、名字変更を検討する際は慎重に判断するようにしましょう。