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【きょうのギモン】裁判でウソをついたら、どんな罪になりますか?

弁護士

神野由貴


【きょうの弁護士】神野 由貴
税関職員の経歴を経て、弁護士に。アディーレ法律事務所にて、不貞慰謝料の請求における交渉・訴訟、また弁護士の視点からマーケティング施策などに携わる。プライベートでは、小学生の頃からの歴史好き。歴史ドラマやYouTube、書籍など、普段から様々な歴史コンテンツを楽しみ、時間ができれば、歴史的な名所にも足を運んでいる。(兵庫県弁護士会 所属)


ポイント① ウソをついたのが証人なら『偽証罪』が成立する

ウソをついたのが、「法律により宣誓した証人」であれば、『偽証罪(刑法第169条)』となるのが原則です。『偽証罪』の法定刑は3ヵ月以上10年以下の懲役となっています。

もっとも、ウソをついたのが証人ではなく、裁判の当事者である場合には、話は変わってきます!裁判の当事者、つまり 民事裁判の原告や被告、および刑事裁判の被告人が法廷でウソをついても、『偽証罪』は成立しません。


ポイント② 民事裁判では、当事者も過料を科されることが

ただし、民事裁判の当事者の場合、 宣誓したにもかかわらず裁判でウソをつくと「10万円以下の過料」に処される可能性があります(民事訴訟法第209条1項)。

(※)過料は行政上の義務違反に対する金銭罰。

裁判でのウソは、裁判の当事者にとっては「裁判官の心証を害しかねない行為」であり、証人にとっては「『偽証罪』で厳しく罰せられる行為」です。もし裁判に出廷することになった際には、ご注意いただければと思います。